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カンボジア ― 援助を待つ国 20024

カンボジアにおける消防機器、備品の現状とご支援のお願い 

 

下記は20023月に初めてカンボジアを訪問したアメリカの消防隊員であるビル・ウィトニーより寄せられた手紙の抜粋で、東京をベースにチャリティー活動を行っているサイド・バイ・サイドのメンバーにむけて書かれたものです。ご協力をお願いできる際は、どうぞ、サイド・バイ・サイドまでご連絡を下さい。

 

カンボジアのOESPプロジェクトに必要とされる機器、備品のリスト:

 

日本のどこかの都市の関係者の方にこの情報を知らせていただければ幸いです。もしEメールで直接コミュニケーションが取れるようであれば非常に嬉しいです。

 

私が直面しているカンボジアの消防サービスの現状は以下の通りです:

カンボジア全土で稼動可能な状態の消防車は約13台で、その内4台がプノンペンの内務省に配置され、6台がプノンペン消防署に、2台がシエン・リープ市にあります。さらに1台がバンテイ・ミーンチェイ市にあると報告されています。プノンペン市消防署とシエン・リープ市消防署によると、どの消防車のエンジンも完全な状態ではありません。このままでは以下のような問題が生じることが懸念されます:
 

a) たとえ水が供給できても、どの消防車も水をくみ上げることが不可能。
 

b) プノンペン市とシエン・リープ市間に使用可能なホースが300フィートに満たない。
 

c)様々な用具の不足。例えばオノ、緊急突入に要する用具、ロープ、呼吸補助具
 

d) 消防服、ブーツ、ヘルメット、グローブ、ズボンなどの防護服の不足。現在プノンペン消防署に23セット、シエン・リーフ消防署に、おそらく3セットがあるのみで他にはまったくなし。
 

e) 消火栓が装備されているのはプノンペン市のみで、その数は30ヶ所。プノンペン消防署がこの内の4ヶ所につながっており、カンボジア基準ネジ切り仕様です。その他の26ヶ所は日本スタイルで、口径が35ミリと65ミリと報告を受けており、全て4分の1回転式のように思われます。この26ヶ所に装着可能な器具があると、すぐに役立ちます。

 

たった6台の、しかも動くかどうかわからない消防車と80人の消防隊員がプノンペン市の4,500,000人の人口をカバーしなければならない現状をご想像下さい。比較のために1例を上げますと、アメリカのシアトル市の人口は1,000,000人以下で、約35台の消防車と11台のはしご車と800人の消防隊員が配備されています。
 

郊外地区の消防器具の調達、建設、配置はさほど困難ではないと思われます。小さな水タンク(200ガロンから300ガロン)、小型ポンプ、200300フィートのホースぐらいを積載できる運搬用の小型トラックがあればよいですし、おそらくプノンペン市のような都市で見合ったものが妥当な価格で手に入ると思います。但しその資金調達には少々の苦労をともなうでしょう。
 

大都市の危険度は何処もそうでしょうが、求められる装置の品質もタイプももっと高いものが必要となります。ですから日本の消防関係者のどなたかとこの状況に関してご相談できると助かるのです。消火栓と書きましたが、もしかすると別な呼称があるのかもしれません。ノズルと書いたものも、実際の呼称は違うのかもしれません。専門用語と専門用途と格闘しながら、「出来る限り」を表現しています。ご当地の消防隊員の方がカンボジアに来訪頂ければ、一緒に事実関係を把握していただけるのではと期待したいところです。
 

さらにあらゆる種類の医療器具も必要としています。ここカンボジアでは病院も救急車もまったく裸同然と言える状態です

 

援助プログラムでは下記の備品を必要としています:

   血圧計     

ガーゼ

聴診器     

酸素ボンベ

酸素マスクとチューブ。

その他の酸素吸入用備品

様々なサイズの包帯

衣料用バンソウコウ  

蘇生術練習用人形

心臓蘇生器

あらゆる医薬品。枚挙を始めると切りがありませんが、当初は必要最低限のもの

ラテックス・グローブ

気道確保用具

まくら

骨折時の副木

担架

洗眼器具

体温計

ハサミ

ピンセット

 

郊外の村にある診療所について
 

建物がかろうじてあるだけで、備品が全くありません。必要としているもののほとんどは米国や日本の救急車に装備されるものと同じだろうと思います。その他に照明やベッドとベッド用品のなども必要としています。近くの大都市の病院に患者を連れて行くまで2時間から4時間かかるため、その間のニーズを満たす診療所が小型版の病院の役割を果たさなくてはなりません。繰り返しになりますが、私が見てきたところによると、殆ど設備なしといえます。時間をかけながらこの点は改善をして行けるでしょう。
 

おそらく私達ができる最良の描写は彼らが住んでいるところを目に見える形で示すことでしょう。現在の一番近くの救急車が2倍も遠い所にあるという状態を想像してみてください。さらにそれを10倍にすると、カンボジアが現在直面している状況に近いと言えます。病院や救急車の設備に対しても同様の状態です。最悪の現状を更に何倍かにした状況を思い描いてみてください。

私達が携わっているこの厳しい任務にご助力を頂いていることに対して何とお礼を申し上げたらよいか判りません。
 

輸送手段についての諸問題に現在取り組んでおります。医療用品や消火装置については比較的難しくないと思われますが、消防車などの大型ユニットについては、幾つかの方法を検討中です。日本製か同様のタイプの器具の調達し、カンボジアに輸送することを考えています。米国からよりも費用がかからないのではないかと思っていますがハッキリとは判りません。

ご理解を有難うございます。

 ビル