水祭り大事故について

水祭り大事故について カンボジア事務所からのご報告

2010年11月24日

今回の水祭りの事故は、ポルポトによる虐殺以降最悪の事態などと表現されてはいますが、事件に便乗した混乱(暴動など)はなく、表面的には町は通常の生活に戻ったように見えます。

これは、事故の際に公立の救急救助隊が迅速に対応し、行政区域を越えて全ての救急車が集まって、けが人と死亡者の搬送に当たったこと。また、日本を含め外 国からの専門家によってトリアージ方法なども過去に研修をした実績があり、大量死傷者ケースへの対処方法をある程度心得ていたこと。救急車だけでは対応で きない数の死人が出たと判明してからは、軍がトラックを出して早急な現場から病院までの死亡者の搬送を実施したこと。その活動をサポートすべく警察が非常 に協力的な対応を取ってくれたことがあると思います。政府が被害者を見捨てていないと一般市民が感じたことで、無用な暴動が避けられたのでしょう。

これは、これまでの救急救助システム構築事業において、省庁を超えて保健省、内務省、防衛省に連携が生まれていたことが、今回の大災害への対応に活かされたと言えるでしょう。

しかし、既存の連携だけでは、今回の大災害において物事はここまでうまく運びませんでした。外国からの支援が集まっていること。そしてその支援を有効に活かすべくできる限りの対策が採られていることが非常に大きいと思います。

協力関係にあるNGOでは、怪我をして入院している患者の食事支援としてアメリカから資金を得ましたが、その配布をどのようにしたら良いか?という相談を受けました。そのため、サイド・バイ・サイドからスタッフを派遣し、食料の配布作業を現在支援しているところです。

(サイド・バイ・サイド・インターナショナルカンボジア事務所 西口所長補佐)