医療へき地に住む妊産婦と母子のための移動健診

救いたい命、救える命があるから・・・

医療へき地に住む妊産婦と母子のための移動健診

カンボジア・ココン州

2009年1月19日から27日まで

サイド・バイ・サイド・インターナショナルは、大竹財団 からの助成金を受けて、「医療僻地に住む妊産婦と母子のための移動健診」プロジェクトを2009年1月19日から27日まで、ココン州コンポンセイラ郡にて実施しました。今回、移動健診を行ったのは、東京の助産師、渡邊真弓さんです。渡邊さんは、以前からアフリカやカンボジアでもボランティア経験があります。コンポンセイラ郡では、サイ ド・バイ・サイド・インターナショナルが支援しているグラフィス診療所 (ブログは英文のみ)が建設中です。

今回は、渡邊助産師は、郡内の辺ぴな村々で妊産婦や母子の検診や指導、郡病院の助産師のアシスト、観察・指導などを行いました。受診者総数は126人で、5件の出産にも立ち会いました。

渡邊助産師の報告によれば、偏った食生活や栄養不足、また風土病であるマラリアにより、貧血 の妊産婦が多数いました。コンポンセイラ郡の属するココン州において、73.7%の5歳未満児が貧血であるという報告もあり、それも原因の一つと考えられ ます。また、保健所から遠距離であるため、定期訪問健診が実施されていない村もある上、妊産婦が、保健所までの交通費を払えない、子供の世話があるなどの 理由から、健診に行けない場合も多くありません。中には、健診を受けるのは初めて、という母親もいました。

また、指導を行ったのは、妊産婦だけではありません。多くの人が歯磨きの習慣がないため、歯痛を訴える人も多く、虫歯や歯周病が蔓延しており、子供や大人への歯磨き指導も実施しました。

コンポンセイラ郡では、サイド・バイ・サイド・インターナショナルが支援するグラフィス診療所が建設中であるほか、すでに現地パートナーが、数年前か ら、救急車を使っての救急活動を行い、近くの国道4号線での交通事故にも度々出動しています。グラフィス診療所は、日本の学生NGO団体グラフィス、サイ ド・バイ・サイド・インターナショナルなどの支援により建設されています。

カンボジア保健省での救急車寄贈式

救いたい命、救える命があるから・・・

カンボジア保健省での救急車寄贈式 2008年11月25日

 

 

with minister

11月25日、日本外務省から「日本NGO連携無償資金協力」を受けてサイド・バイ・サイド・インターナショナル(SBSI)が輸送した救急車4台の寄贈式典が、保健省にて実施されました。

式典には、カンボジアの保健大臣、次官、各国立病院長などの多数の関係者と、日本大使館公使が出席されました。この救急車両寄贈は、SBSIのパートナー である日本のNPO法人TICOがカンボジア政府と協力して始めているカンボジア初の本格的な119番救命・救急システム構築事業のためです。このように 高機能で設備の整った救急車は注目を集め、大いに感謝されました。(左上写真は、サイド・バイ・サイドの代表佐々木と、ブンヘン保健大臣や在カンボジア日 本大使館丸山公使、五十嵐TICOカンボジア事務所代表。)

SBSIではこれらの車両とほぼ同時に、2台の簡易救助車と何百もの救急や医療用物資をカンボジアに輸送し、1台の救急車の輸送をアシストしました。  containers and 4ambulances

カンボジアでは、2007年、交通事故が死亡原因第二位(HIVが1位)でしたが、さらに増加しています。これまで、救命設備も技術もない多くの民間救急 車が、高額の搬送代目当てに運用されていました。この問題は、9月に日本のNHK総合やNHKBSの番組でも、TICOの救急事業の紹介と共に取り上げら れ、その後、政府から民間救急車運用禁止令が出ました。これを機に、保健省や警察、各公立病院と共にTICOが進めてきた公立救急救命体制への取り組みは 急ピッチで進められ、日本からの救急車両はその中心的役割を果たすこととなりました。また、以前からSBSIのパートナーだった米国のMTI(メディカ ル・ティームズ・インターナショナル)緊急医療専門家ローエン氏のチームがカンボジア語の応急処置教本とDVDを完成しました。カンボジアの救急事業は、 まだまだ資金も人材も限られており、皆さまのご協力を必要としております。よろしくお願いします。